乗り移り短編集
学校の階段
作:トゥルー

廊下で陸上部のエース、早川梨子とすれ違った。
これから部活の練習に行くんだろう。
大会が近いし、出場選手である彼女は練習にかなり熱を入れているはずだ。

「アレ」を試すなら、今が絶好の機会か・・・!
僕は急いで、近くのトイレの個室に入った。
――こんな時の為に訓練を重ねて身に付けた『憑依術』を使う時が来たんだ!
念を集中し、肉体から幽体を切り離す。
幽体離脱に成功した僕は、すぐに早川を追いかけた。

トイレの壁を通り抜け、廊下を飛んで階段に向かうと、早川は丁度踊り場にいた。
階段を降りきる前に、その背中目掛けて幽体を突進させる。
早川、失礼するぜ・・・!
ズブリ、と僕の幽体は彼女の体にめり込んだ。

「あうっ!?」

早川は僕が入り込んだ途端、ビクンと体を痙攣させた。
一瞬の内にその意識を乗っ取り、僕の意思が彼女の肉体を支配する。
僕は――早川梨子となった自分の体を見下ろした。

「ムヒ・・・☆」

口から早川の、奇妙な笑い声が漏れる。
首を動かす度に、うなじをくすぐるポニーテールの感触。
眼下には、半袖の体操着と水色のブルマーに包まれた、彼女の抜群のプロポーションがあった。

あらためてこうして見ても、素晴らしい体だよ・・・!
前から彼女には惹かれてんだよね・・・
まさかこうして、その肉体を自由に出来る日が来るとは・・・!

僕は両手を脛に当て、そのまま太もも、腰のラインに沿って撫で上げていく。
ああ、肌がゾクゾクと泡立つ・・・!

「んん・・・!」

早川の口から、色っぽい喘ぎ声が漏れた。
くひひ、陸上部のエースが、こんな階段の真ん中で自分の体を弄って悶えているなんてね・・・!

手を腰から離し、胸元に近づける。
おお、予想以上に巨乳だな・・・!
こんなオッパイで、空気抵抗とか受けないのかな?
僕はニヤニヤと含み笑いを浮かべながら、オッパイを持ち上げた。

や、柔らかい・・・!
体操着ごしに揉んでいるのに、掌は信じられない柔らかさに包まれている。
こうして何の気兼ねもなく、女の子のオッパイを揉みまくれるなんて・・・
苦労して憑依術を覚えて、本当によかった・・・・・・!

うっとりとしながら前を見ると、階段の手すりが視界に入った。
――このまま、じっくりとこの体でオナニーしたいけど・・・
どこか人目の付かないところまで移動する時間がもどかしい・・・!

僕は両手で胸を揉みながら、手すりに近づいた。
そのまま股間を、手すりの角に押し付ける。
手すりを両手で掴み体を支えながら、僕は腰をゆっくりと前後に動かし始めた。

「ん・・・っ」

無意識に口から、熱い吐息が漏れる。
動きを繰り返す内に、快感が膨らんできた。
下着の中で生暖かい液体が広がっていくのが分かる。
くいっくいっとリズミカルに腰を動かす度に、体が浮き上がるような気持ちよさが押し寄せてくる。

「ああ・・・は・・・っ、は・・・っ、は・・・ん!」

早川の色っぽい声。
早川の色っぽい姿。
誰かが通ったらどうする?
学校の階段で、女子が局部を擦り付けているんだ・・・
まるで変態じゃないか・・・!

僕は、上半身を手すりの上に倒した。
豊満なオッパイが、ギュッと押し潰されていく。
そのまま、早川の体を手すりに擦り付けるように、腰を激しく動かす。

これじゃまるで、電柱相手に腰を振る発情期の犬だよ。
でも・・・男では絶対に味わえないこの快感は、病み付きになる・・・・・・!

「んん・・・気持ちいい・・・!あっ、あっ、腰が・・・勝手に動いちゃう・・・!!」

早川の甘ったるい声が、益々興奮を掻き立てる。
木製の手すりの冷たい感触が、太ももごしに伝わってきた。
僕は手すりに抱きつくような格好で、オッパイを左右に揺らし、腰を振り続けた。

胸から感じる感覚。
股間から感じる感覚。
2点から生まれる快感は、それを何倍にも、何十倍にも増幅させる。

「ああ・・・黒沢くん・・・黒沢くぅん・・・!!」

早川に変態的な行為を取らせながら、僕の名前を叫ばせる。
学校の階段で、陸上部のエースが腰を振りながら僕の名を呼んでいるんだ・・・
こんな興奮があるだろうか・・・・・・!

「あ、あ、あ、は、あああ・・・・っ!!」

体を弓なりに反らせるようにして、手すりに股間を限界まで押し付けた瞬間――
全身がバラバラになるような衝撃が湧き上がった。
頭の中で白い光が何度も瞬く。
早川の体が、絶頂に達したんだ。

「ああ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

僕は手すりの上に、グッタリと寝そべった。
――とうとう、こんな階段でオナニーをしてしまったんだ・・・
何人か人が通った気がするけど・・・
なぁに、後で変な目で見られるのは早川自身だ。
僕は彼女の体を堪能したんで、もう満足さ。

いつまでも喘ぎ声を上げる早川の体から、幽体をゆっくりと切り離す。
気付けば階段の上には、騒ぎに気付いた生徒たちがちょっとした列を作っていた。
あらら、結構まだ残ってたのね。
う〜ん、目を覚ました早川、どうするんだろ?
知〜らないっと・・・

僕は早川をその場にほったらかしにしたまま、自分の体があるトイレへと戻った・・・・・・

<おわり>



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